シマフクロウに優しく、本格的写真撮影が可能な特別製の照明装置を研究開発しています。
暗くてもぶれない特別設計の照明
照明設計の第一優先事項はシマフクロウにちょうど良い明るさを提供することです。 シマフクロウが活発に活動しだす夕暮れの明るさで川面を照明する事で、彼らが魚を獲りやすい環境を作っています。 しかし、これでは写真撮影には暗すぎて、シマフクロウのダイナミックな狩りの様子を撮影することはできません。
とても弱い光であっても、それをパルス的に間欠発光させればブレの無い鮮明な写真を撮影する事ができます。 シマフクロウオブザバトリーの照明は、一秒間に80回、1/800秒という短い時間だけ発光します。 そのため、弱い光にかかわらず、1/800秒という高速でシャッターを切ったのと同じ写真を撮影することができます。
1秒間に80回の点滅は人間やシマフクロウには感知することができず、滑らかな一定の光に見えます。 蛍光灯やテレビが滑らかな光に見えるのと同じです。 光の最大強度も、ストロボ光の1万分の1程度というとても微弱なものであるため、シマフクロウの目に負担をかけない優しい設計になっています。
この光の性質を生かしてブレの無い写真を撮影する為には、シャッター速度を必ず1/80秒に設定しなければいけません。 たとえばシャッターを1/40秒に設定すると、シャッターが開いている間にパルス発光が2回入り、シマフクロウが二重写しになります。 1/100秒がそれより速いシャッターを使用すると、シャッターが開いている間にパルス発光が正しく入らず、画面の一部、あるいは全部が黒く写ります。
シャッター速度は必ず1/80秒に設定して下さい。
推奨カメラ設定
(1)撮影モードをマニュアルモードがシャッター優先モードにします。
(2)シャッターを必ず1/80秒にします。
(3)レンズの絞りを一番明るくします。(Fを一番小さな数字する。)
(4)ISO感度をF4で3200、F5.6で6400に設定します。
(5)AF補助光をOFFにして下さい。
(6)ホワイトバランスは、オートか太陽光に設定します。
(7)良い画質を得るには、jpeg でなくRAWで撮影します。
撮影画像の明るさを調整したい場合は、ISO感度を変更して下さい。
川の暗い部分に居るシマフクロウを撮影する際は、ISO感度を高めに設定します。 シマフクロウが静止している場合には、シャッター速度を1/40にするという選択支もあります。 ただしこの場合、シマフクロウが少し動けば画像は二重になってしまいます。
行ってはいけないカメラ設定
(1)ストロボを発光させる。
(2)AF補助光を発光させる。
(3)オート、P、Aモードなどで撮影する。 シマフクロウが少し動けば二重写しになります。
(4)ISOをオートにする。
背景が暗い為、シマフクロウが露出オーバーになります。
(5) 露出補正を行う。
シャッター速度が1/80秒からずれる事があります。
お勧めするレンズとカメラ
シマフクロウは、翼長が1.8mという巨大な鳥ですので、長い望遠レンズは必要ありません。 魚を捕る時にとてもすばやい動きを見せるため、連射の早いカメラが有利です。 シャッターを1/80秒に設定する必要があるので、シャッター優先モードかマニュアルモードがあるカメラが必要です。 お勧めできる組み合わせは、
フルサイズ450-500mm相当F4レンズと連射の早いカメラ
です。 たとえば一般的なデジタル一眼(APS-Cサイズ)の場合、300mmF4が最適レンズになります。 これ以上長いレンズでは、狩りや飛翔の場面で翼が画面からはみ出してしまいます。 F2.8では、シマフクロウの激しい動きにピントを合わせるのが難しくなり、F5.6だとISO感度の増加により画質低下が目立ちます。 フルサイズのカメラではノイズが少なくなりますが、連射速度は遅くなります。